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AR・VRはどこまで伸びるのか?市場レポートから読み取る

AR・VRはどこまで伸びるのか?市場レポートから読み取る

スマホの次のデバイス体験として期待されているAR・VR、そしてその先にあるMR。一昔前には「ゲーム用のいちデバイス」のような認知がなされていた時期もありましたが、ここ数年でビジネスシーンでの利用が増え、また昨今のメタバースへの期待値の高まりも相まって、これらをまとめた「xR領域」は非常に盛り上がってきていると感じます。 では、具体的なデータとしては、どのように現れているのでしょうか。本記事では、AR・VRヘッドセットの販売台数や市場規模など、さまざまなデータを通じて市場感を定量的に俯瞰していきましょう。

スマホの次のデバイス体験として期待されているAR・VR、そしてその先にあるMR。一昔前には「ゲーム用のいちデバイス」のような認知がなされていた時期もありましたが、ここ数年でビジネスシーンでの利用が増え、また昨今のメタバースへの期待値の高まりも相まって、これらをまとめた「xR領域」は非常に盛り上がってきていると感じます。

では、具体的なデータとしては、どのように現れているのでしょうか。本記事では、AR・VRヘッドセットの販売台数や市場規模など、さまざまなデータを通じて市場感を定量的に俯瞰していきましょう。

AR・VRヘッドセットはどれだけ売れている?

まずは、こちらのグラフをご覧ください。

AR/VR Headset Forecast, 2021Q3(画像:IDC “AR & VR Headsets Market Share”

こちらは、調査会社IDCが2021年12月に発表した「AR・VRヘッドセット市場概況」です。ご覧いただくとお分かりのとおり、ARとVRを合わせたヘッドセット出荷台数は年々増えていく想定となっています。

具体的な数字面を見ていきましょう。VRヘッドセット(水色)とARヘッドセット(青色)、それぞれの年の出荷台数と、その対前年比を示したものがこちらとなります。

2030年までに世界のGDPを1.5兆ドル押し上げる可能性も

次に、こちらのグラフをご覧ください。

こちらは、プロフェッショナルサービスファームであるPwCが2021年12月に発表した、「AR・VRがビジネスと経済をどのように変革するか」というテーマで構成されたホワイトペーパーのコンテンツです。

ここに描かれているのは、AR・VRがGDPに与えるインパクトについて。2030年までに約1.5兆米ドルものインパクトがあると、PwCは予測しています。

また、こちらは同様のホワイトペーパーより、上のインパクトをVRとARに分解して示したグラフになります。

2019年時点からすでに、VRよりもARの方がGDPへのインパクトが大きいことが示されています。そして、その差は年が進むにつれて大きくなる一方であることもわかります。

前章で、ヘッドセットの出荷台数はVRの方が圧倒的に多かったのですが、当然ながらARはヘッドセットの他にも、スマホやタブレット等で活用することが可能です。そのようなケースも全て加味した上で集計すると、このような結果になるといえます。

以下のページのダッシュボードでは、より詳細なデータ(年別、国別、ユースケース別など)を簡易操作しながら参照できるので、ぜひ併せてご覧ください。

Seeing is believing: PwC

日本市場の現在地は?

ここまでは主にAR・VRの世界市場におけるトレンドをお伝えしました。では、日本市場は現在、どのような状況なのでしょうか。

調査会社のIDC Japanが2019年6月に発表した調査結果によると、国内の2018年のAR・VR関連市場支出は12.9億米ドル、2019年は17.8億米ドル、2023年は34.2億米ドルの市場に成長すると予測されています。伸びていることに変わりはありませんが、先ほどご覧になった海外市場と比べると、まだまだ見劣りする状況だと言えるでしょう。

たとえば、世界的な出荷台数の絶対値が高いVRに着目してみると、以下のように、スマートフォンの普及率が69.3%であるのに対して、家庭用VR機器の普及は6%に止まっています。

認知度から調べた調査を見てみても、9割以上の方がVRを認知はしているものの、実際に使っている人は5%に留まっています。

ここまでの資料を作成している日本政策投資銀行では、以下のようなPEST分析を通じて、AR・VRの一般普及に向けた主な課題を整理しています。PESTそれぞれの要因が複雑に絡みあっていることが、国内市場がなかなかブーストしない根本原因になっていることがお分かりいただけるでしょう。

AR/VRの一般普及に向けた主な課題をPEST分析で整理(画像:日本政策投資銀行「AR/VRをめぐるプラットフォーム競争における日本企業の挑戦」No.354-11

メタバースの市場規模は2028年に8,289億5,000万米ドルの可能性が

ただし、このVR/AR市場を大きく加速させる可能性のあるトレンドが、昨今話題になっているメタバースでしょう。

調査会社のEmergen Researchが2021年11月に発表した最新の分析によると、世界のメタバース市場規模は2020年に476.9億米ドルに達し、2028年には8289.5億米ドルへと、43.3%のCAGR(年平均成長率)で拡大すると予想しています。

この動きを後押ししている要因の一つが、2020年に発生したCOVID-19パンデミックであると、同調査は続けます。つまり、ビフォーコロナでは人々はメタバースをエンタメ活動の一環として捉えていましたが、ウィズコロナ期間によって、たとえばデジタルによる学習習慣ができ、ファッションからビジネスまで、生活者のデジタルトランスフォーメーションが加速しました。その結果、メタバースへの期待値も高まることとなり、市場の収益成長を促進する主要因の1つになったというわけです。

このようなメタバースへの期待値の高まりによって、その基盤技術となるAR・VRへのニーズも必然的に高まることになり、結果として市場規模の拡大につながることが想定されます。

市場規模としては間違いなく拡大が続く

今回は、IDCグループの各種レポートや日本政策投資銀行の資料など、様々なデータを扱ってAR・VR市場についてご紹介しました。

市場規模としては、間違いなく拡大していくことが予測されているからこそ、早い段階でのキャッチアップと、積極的な技術の活用が大事な姿勢だといえます。

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