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検査の自動化で現場改善!課題と解決策とは

検査の自動化で現場改善!課題と解決策とは

製造現場における検査は、品質マネジメントの国際規格「ISO9001」が規定するように、製品の高い品質を担保するために重要な工程です。 しかし、品質への高い要求に対して、検査工程が抱えるヒューマンエラーやコスト問題に悩む現 […]

製造現場における検査は、品質マネジメントの国際規格「ISO9001」が規定するように、製品の高い品質を担保するために重要な工程です。

しかし、品質への高い要求に対して、検査工程が抱えるヒューマンエラーやコスト問題に悩む現場が多いのが現状です。そこで、諸課題解決の糸口として着目されるのが「検査の自動化」という考え方です。

今回は、検査自動化の具体的な内容やメリット、また自動化そのものが持つ課題とその解決策について詳しく解説してきます。

検査の自動化がなぜ必要となるのか?

日本の製品は「メイドインジャパン」と呼ばれ、高品質の代名詞として世界に名を馳せてきました。しかし、近年では日本製品の品質が疑問視される風潮があります。代表的な例としては、リーマンショック後の投資削減が原因となる低品質化問題や、2017年以降に相次いで報じられた不正検査問題が挙げられます。

こうした社会情勢の変化から日本製品への品質要求が高まっており、対策の一つとして、製造業では検査の自動化への関心が強まっています。目視で行う製品検査・外観検査にはヒューマンエラーによる限界があり、作業時間や人件費などのコストもかかります。また、熟練工(技能人材)でないと難易度が高い工程も少なくありません。経済産業省の調査では、中小企業の多くが技能人材の確保に苦労している課題も明らかになっています。これらの課題を解決する方法のひとつが「検査の自動化」なのです。

参考: 『製造業における人手不足の現状および外国人材の活用について』経済産業省

検査自動化のメリットや対象工程

人間が行う検査を自動化すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。検査自動化による3つのメリットと、具体的な自動検査の内容について解説していきます。

検査自動化のメリット

先述したように、人が行う検査には精度に限界がありコストもかかります。検査自動化のメリットは「機械が人に代わることで諸課題を解決できる」点にあるのです。以下に、課題に対応した3つのメリットについて見ていきましょう。

作業時間の短縮
機器の設定と操作のみで検査を開始でき、さらに整列・排出といった作業と検査を同時に行うことも可能なので、作業時間を大幅に削減できます。

人件費削減
検査機器を導入すれば、人の作業範囲は基本的に機器管理と操作に限られるため、人件費の削減になります。また、人と違って機器は休むことも離職することもないので、投資費用の回収期間の計算さえできれば、必要コストの見通しが立てやすくなる点も魅力です。

検査の高精度化
検査機器はプログラムで定義された動作を正確に繰り返し、人の主観が介入しないデータをもとに高精度な検査を行います。つまり、人が限度見本(許容できる不具合)の定義さえ決めておけば、技能人材がいなくとも安定した品質を担保し続けることが可能です。

自動検査で可能な工程

色検査
色検査とは、視覚センサで撮影した画像データを解析し、目視では難しかった製品や部品の微妙な色ムラや濃淡、小さな塗装や印刷の抜けなどを、色調の違いから判定する工程です。

異物検査
異物検査とは、画像検査に加え、赤外線やX線を利用して、製品内部に混入した異物を透過することで判定する工程です。主にパッケージングされた食品や樹脂・セラミックなど、「非接触・非破壊」の製品に対する異物混入を発見することができます。

形状検査(外観検査)
形状検査とは、バリ(突起)や打痕、欠けなどで生じる製品ごとの微小な形状のバラつきを、光学センサや画像検査を組み合わせて判定する工程です。角度や色、照明の形状など複合要素を考慮した光を照射することで生じる影を撮影し、高度な検査を、正確に自動化できます。

キズ・汚れ検査
キズ・汚れ検査とは、特に品質に影響する製品表面に付いたキズや汚れを、画像検査によって判定する工程です。目視で確認できないような微細な不良も検知でき、ラインの速度を落とさずに全数検査が可能になります。

検査自動化の課題と解決策

メリットや先進性から、検査自動化は一見して万能のようですが、実際はいくつかの課題が残されています。では、検査自動化の課題や解決策とは何か、ハード面(施設や機器)とソフト面(人材やコスト)の視点から解説します。

ハード面

ハード面の課題は主に以下の2つです。

  • 埃に不良判定を出すなどの誤判定により工程低減にならなかった
  • 多品種少量生産や検査項目が多い場合に自動化が難しい

検査機器の性能は、各機器メーカーが行う研究や技術改良に依存する部分が大きいのは事実です。一方で、完全自動化が難しい工程に対しては、「半自動化」によって人と自動検査を互いに補完・共存し合うという方法も存在します。例えば、寸法・重量などの定量化できる項目は機械で検査し、定量化が難しい多種多様な外観検査は人が行うといったケースが半自動化に該当します。完全自動化でなくとも、検査員の負担軽減・省力化や不良品見逃しのリスク低減の効果は期待できるため、検討する価値はあるでしょう。

ソフト面

対して、ソフト面の課題は主に以下の2つです。

  • 自動検査機のNG判定を人が見逃すことがある
  • 検査判定後の処置は人がやるためコストメリットがでない

検査自動化によるコストメリットを生み出すためには、機器を導入する場合に期待できる投資対効果と、人による検査を続ける場合の費用を比較検討する必要があります。完全自動化・半自動化、または機器に頼らない省力化・省人化など、現場改善の選択肢は広く存在します。工程ごとに必要な改善レベルとコストのバランスを慎重に考えましょう。

機器が出したNG結果の見逃しなどのヒューマンエラーは、リスクアセスメントを実施した上で、周知・教育やマニュアル作成で対応が可能です。人が関わる以上、100%のミス撤廃は難しいため、可能な限りミスが発生しない仕組みづくりが重要となります。

参考記事:リスクアセスメントと産業用ロボット。気をつけるべき点とは?

現場に適した検査自動化で実のある改善活動を

検査自動化は品質改善活動に大きな効果をもたらす一方、ハード面やソフト面で課題が残る分野でもあります。まずは各現場の検査工程における問題を明確にし、自動化の投資効果や工程ごとの導入可能性を適切に検討しましょう。

検査だけではなく、加工や搬送も産業用ロボットによって、自動化が進んでいます。もしロボット活用や現場の課題についてお悩みの場合は、ぜひロボットSIerにご相談ください。問題点の抽出や改善施策のご提案、補助金申請のサポートまで、経験豊富なエンジニアが御社のお悩みを解消いたします。

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