酒造業者のためのERP講座、無駄を無くし利益を確保する手段

 2019.05.13  株式会社アウトソーシングテクノロジー

若者の酒離れや、人口減少などによって「酒造業界は苦しい時代だ」と言われています。しかし、そうした時代の中でも成長し、利益をしっかりと計上している酒造業者は確かに存在しています。

それらの酒造事業者は、規模を問わず国内での販売はもちろん、海外への輸出も堅調に伸ばしています。では、酒造事業者において成長体質を作り、酒造業界の現状を打破するためには何が必要なのか?

その最適解の一つがERP(Enterprise Resource Planning)の導入です。

「ERP?うちの会社は関係ないよ」「うちは大企業のように情報システム部門はないから」「酒造業の業務は特殊だからERPは無理だよ」と思われる方も多いかもしれません。中にはERPという言葉を初めて聞いた読者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

近年、成長を遂げている酒造業者では、ERP導入が活発化しています。特に代替わりした酒造業の若手経営者はITに違和感なく溶け込み、コスト削減をしながら自社の成長を加速するためにITをフルに活用しています。つまり、成長する酒造事業者は、戦略的なIT投資による「攻めのIT」を実現することで、継続的な成長体質を手にしているのです。

本稿では、これからの酒造業者の方々に知っていただきたいERPについて解説していきます。

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ERPとは結局何か?

ERP(Enterprise Resource Planning)は日本語で「経営資源計画」という意味でありほとんどの場合、それを実現するためのソフトウェアの総称として理解されています。ERPは、もともと製造業における原材料/部品調達を効率良く行い、ジャストインタイムな製造(必要な時に、必要なもの)を実現するための管理手法であるMRP(Material Resource Planning:資材所要量計画)から発展したものです。

ERPが登場した1990年代は、大型汎用機を活用していたITからパソコンを中心としたエンドユーザーコンピューティングへとシフトする時代でした。このダウンサイジングによりITコストが安価になったため比較的容易にITによる課題解決が可能であると言うメリットがありました。

その一方で、部門ごとの個別システム、業務ごとの個別システムが乱立することにより企業全体の最適化が難しくなるという負の側面もで始めた時代でもあります。企業は、部分最適化によって経営資源(人/物/金/情報)を統合的に管理することが難しくなってしまったのです。これは企業経営にとって致命傷とも言える現象であり、事業全体を俯瞰しながら素早い意思決定ができなくなったのです。

そこで登場したのがERPです。部署ごとに分散している業務アプリケーションを1つのデータベースで管理したり、システムそのものがもつ業務プロセスを統合することで、経営資源の一元管理と業務プロセスの統合を実現しました。

このERPは、1990年代後半から2000年にかけて日本でも海外製ERPパッケージの導入が一大ブームになりました。ただし、当時のERPは非常に高額で、初期投資だけでも数億円かかるケースも多く、大企業が導入するものというのが一般的でした。

大企業だけではない、ERPは中小企業でも導入が当たり前の時代に

1回目のERP導入ブームで初期投資が莫大な額に膨れ上がっていたのは、パッケージソフトウェアの料金に加えて、海外製ERPパッケージを自社仕様にするための膨大なカスタマイズが原因です。

しかし、今ではERP提供ベンダーの努力もあり業種特化の機能を容易に提供できたり、クラウドに対応することで運用負担やコストを顧客に強いない環境へと変わってきています。

このことからERPは、大企業だけのものから中堅・中小企業でも使える段階にあると言えるのです。

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ERPを導入することのメリット

以前に比べて初期投資や運用コストが少なくなったからといって、肝心なことは自社にとってERPを導入する価値があるかどうか?を判断することでしょう。

独立系ITコンサルティング及びIT調査会社であるITRが発表した調査報告によると、2016年度のERP市場は前年度比9.3%増と堅調な伸びを見せています。さらに2017年度には11.7%増とさらに伸び、今後もERP市場の拡大は続くと予測されています。

出典:国内ERP市場、SaaSが40%超の高い伸びを維持、パッケージもIaaSでの運用が拡大――ITR発表

このことからもERPの有用性を読み取ることはできますが、ここではERPを導入することの具体的なメリットの代表例を解説します。

機動力が増す

優れた経営には「機動力」が欠かせません。経営者のリーダシップを大いに発揮でき、スピード感のある経営によって様々な施策を展開し、利益創出が実現できます。ERPは経営状況を正確かつリアルタイムに可視化できるため、経営スピードはこれまでにないほど迅速になります。 

経営資産活用を効率良く行える

ERPでは部署ごと、あるいは業務アプリケーションごとに分断している経営資産(人物/金/情報)を一元的に管理します。そのため、本当に投資すべきところに経営資産を集中でき、効率の良い経営が行えます。 

業務プロセスの無駄が無くなる

ERPに統合されている各業務アプリケーションは親和性高く連携しているため、今まで発生していたような2重、3重のデータ入力作業は無くなり、企業全体で業務プロセスの無駄を無くすことができます。業務プロセスの無駄がなくなることによりコスト削減にも繋がります。 

データ分析でビジネスチャンスを創れる

ERPで管理されている情報は、様々な角度からリアルタイムにデータ分析が可能です。それによって会社の今の状況を正しく確認して、次へのアクションへとつなげることが可能になります。これによりスピード経営を実践することができるのです。 

赤字を作らない財務体質になれる

ERPによって企業の財務状況や問題箇所について知ることで、何にどれくらいの投資をしているのかを明確に把握し、財務の無駄を排除して強い財務体質を作り上げることが可能です。 

システムの運用・保守費用を削減できる

分断していた業務アプリケーションを1つに統合すれば、その分の運用費用や保守費用を削減できます。

複雑だった在庫管理が容易になる

日々の資材の仕入れや払い出し情報をERPに入力することで、複雑だった資材の在庫管理が容易に行えます。さらに、詰口予定、発注予定から資材の過不足についてシミュレーションが可能になり、適正在庫の把握もできます。

原価情報を正確に把握できる

原価管理システムが統合されているERPでは、資材の動きや販売数量などから常に正確な原価情報を把握できます。原価情報を知れば原価の無駄を知り、原価改善に向けた取り組みが実施できるため、利益率向上も期待できます。また、原価変動のリスクを予測することで、変動に左右されずに利益を確保できます。

 

このように様々なメリットがあるERPですが、プロセスを統合することによる無駄の排除、そして、リアルタイムな経営の可視化による迅速な事業展開が可能になることが大きなメリットと言えるでしょう。

酒造業にもっとERPを

いかがでしょうか?こうしたERPは、現代の酒造業においても欠かせないシステムであり、成長企業の大半はやはりERPによって統合的な経営資源管理を実現しています。特に最近では、酒の海外輸出が盛んになってきています。その際に、グローバル化を支える経営基盤としてもERPは欠かせない存在になります。

弊社アウトソーシングテクノロジーが提供する酒造業向けソフトウェア「三酒の神器(さんしゅのじんぎ)」は、有名酒造メーカーへ多数の導入実績があるERPパッケージ(酒造業向け統合パッケージ)です。酒造業特有の 販売/蔵内/購買/原価 の管理をIT化し、これまで管理・分析が難しかった酒造業の経営をサポートします。

この機会に、酒造業におけるERP導入をぜひご検討ください。

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