酒造業向けシステム選定のポイント

 2019.08.05  株式会社アウトソーシングテクノロジー

日本の伝統工芸とも言える“酒造”。その中でも清酒は世界的評価も高く、世界中で日本のSAKEが飲まれています。酒造業者にとって、グローバル展開はまたとないビジネスチャンスであり、2020年にはインバウンド需要が更なる高まりを見せると言われていることから、海外市場に目を向けている酒造業者は多いでしょう。

グローバル・ビジネスの展開はもちろん、国内での市場シェアを拡大するためには安定して高品質な商品を必要最低限のコストで造り続けることが大切です。そこで欠かせないのが「酒造業者向けのシステム」であり、酒造業特有の製造工程の管理や業務プロセスをシステム化することによって、高い労働生産性を手にすることができます。

しかし、IT活用の経験が少ない酒造業者にとって、自社環境に最適なシステムを選定するのはなかなか難しい問題です。そこで本稿では、酒造業向けシステムの選定ポイントについて解説しています。IT活用において正しいシステム選定は、今後の経営を左右しかねない重要なポイントですので、ぜひ参考にしてください。

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酒造業向けシステムの選定ポイント

それではさっそく、酒造業向けシステムの選定ポイントについて解説していきます。

1. システム導入の目的を明確にする

酒造業向けシステムを選定する上でまず大切なことは「システム導入目的の明確化」です。時代的に必要なものだから、周りが入れているから、といった曖昧な理由でシステム導入に踏み切るケースも見受けられますが、なぜ、今、システムが必要なのか?が明確になっていなければ、その成果を実感することができなくなります。当たり前のことではありますが、どういった経緯、そしてどういう課題があるからシステム導入を目指すのか、そして、導入してからの最終的な目標は何かなど、システム導入の目的を明確にすることで正しい選定の土台を作ることができます。

 

2. システムの使いやすさを重視する

酒造業は労働者の高齢化が進んでいる業界の1つであり、システムを導入してもそれを扱うユーザーが、コンピューター操作が苦手というケースが多々あります。そうした環境で複雑かつ高機能なシステムを導入したことで、システムを上手く扱えずに失敗したという事例はたくさんあります。ただし、年齢層が高いとITリテラシーが低いわけではなく一般的なコンピューター操作ならそつなくこなす方が大半です。ただ複雑なシステムとなると扱いが難しいので、酒造業向けシステムでは使いやすさを重視することもポイントの1つです。また、操作マニュアルや研修、サポート体制が充実しているなど手厚いサポートがある製品の選定を考慮しましょう。

 

3. 自社に必要な機能について定義する

酒造業における経営課題は酒造業者によって違いますし、それを解決できるシステムも三者三様となります。従って、「自社にとって必要な機能とは何だろうか?」という点について定義することがとても大切です。IT活用の経験が少なく、そもそもどのような機能があるかわからないという場合は、導入パートナーとなるベンダーと共に要件定義してみるのも1つの方法です。機能要件がしっかりと定義されていれば、自社環境に沿わないシステムを選んでしまうことはほぼないでしょう。また、不必要な機能モジュールを導入することも無くなりますのでコスト削減につながります。

 

4. 会計システムとの連携を考慮する

酒造向けシステムではさまざまなデータを扱うことができますが、既存の会計システムや在庫管理、倉庫管理システム、BIツール等と連携が取れていないとデータの2重入力やインテグレーションといった手間が発生し、システム化の効果を最大限に引き出すことができなくなります。例えば販売管理システムが、会計システムと連携できないとデータを2つのシステムで持つことになり、そこには人による手作業が介在する必要があります。つまり、二重入力による無駄、人的ミスによる不正確な経営へとつながるのです。そのため、酒造業向けシステムを導入する際には外部システムとの連携性、特に会計システムと連携できることをしっかりと確認しておきましょう。

 

5. 統合的なシステムを検討してみる

酒造業向けシステムと一口にいっても、さまざまな製品が提供されています。一般的な酒造工程をカバーした在庫管理システムや工程管理システム、販売管理システム、蔵内管理システム、原価管理システム、購買管理システムなど。通常、これらのシステムは個別に導入するものですが、製品によっては統合的なシステムを構築することができます。たとえば酒造向けのERP(Enterprise Resource Planning)ならば、酒造業者にとって欠かせない前述したモジュール群が連携・統合された状態で導入できます。この場合、システム同士が相互連携しているためデータの受け渡しがスムーズであり、統合的な経営分析にも活用しやすくなります。従って酒造業向けシステムを導入する際は、後々を考慮し統合的なシステムを検討するようにしましょう。

 

6. サポート体制について確認する

酒造向けシステムを選定する際は、同時にソフトウェア・ベンダーが提供しているサポート体制についても確認しておきましょう。特にIT活用の経験が少ない酒造業者では、ベンダーのサポートを活用する機会が多いため、サポート内容と対応時間についてしっかりと確認しておくことが大切です。

 

7. 導入実績を確認する

ソフトウェア・ベンダーの導入実績を確認する際は、実績内容についてもしっかりと確認しておきましょう。特に、自社と同じ規模の実績が多いベンダーを選びましょう。ただし、類似した環境であっても細かい経営課題は異なることが詳細に関してはベンダーに確認するようにしてください。

 

8. 製品提供ベンダーの企業規模や体力についても確認する

誰もが知るMicrosoft Officeなどは、ベンダーの視点で見ると販売対象は就労人口全員となりマーケットが多いことがわかります。それに対して、酒造業向けソフトウェアとなると日本国内の酒造業のみが対象となります。つまり、ベンダーにとっては小さいマーケットの中で高品質な製品を作り続けるということを意味するのです。このような状況では競争が激化すると採算が合わないということでサポートや開発打ち切り、最悪の場合には倒産ということもありうるのです。

製造業向けシステムの製品選定の際には、企業の規模や体力、姿勢についても十分調査する必要があるのです。

 

9. 導入時のイニシャルコストだけではなく、保守コストも考慮に入れる

システムを導入する際には、多くの企業が導入費用のみに目が行きがちです。しかし、長く経営を支えるシステムですから保守料/保守サービスも同時に考慮する必要があることを忘れてはいけません。

例えば消費税や酒税、HACCPの義務化、働き方改革関連の中小企業猶予期間、Windows 7のサポート終了など、システム的に保守が発生する事象が多数あります。導入時の費用の安さだけを判断基準としないで、トータルコストや保守におけるサービスの内容など広範囲で比較するように心がけましょう。

酒造業のための経営指針ガイド
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IT導入補助金や軽減税率対策補助金をチェック!

酒造業向けシステムを導入する際は初期投資や運用費用がかかります。決して安い投資ではないため、システム選定において各種公的補助金に対応している製品を選ぶこともポイントの1つです。

IT導入補助金(2019)

正式名称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業」といいます。経済産業省が毎年実施している公的補助金制度であり、中小企業・小規模事業者を対象に、生産性向上を目指している企業に対してIT導入にかかる費用の一部を補助するというものです。

IT導入補助金の補助対象になるのは、①日本国内で実施される事業であること、②IT導入支援事業者が登録するITツールを導入する事業であること、です。受給額はA類型が40万~150万円未満であり、B類型が150万円~450万円となります。補助率は1/2以下なので、900万円以上の投資を要するIT導入において、最大で450万円の補助金を受け取ることができます。

 

軽減税率対策補助金

軽減税率が実施されるにあたり、企業ではさまざまな準備が必要になってきます。中にはPOSシステムを改修したり、新しく導入したりするケースもあります。そこで国税庁が実施している軽減税率対策補助金を活用した、軽減税率への対応にかかる費用を一部補助金として受け取ることができます。この制度は、大きく分類すると①A型、②B型、③C型に分けられ、それぞれに適用要件や補助額が異なります。

 

① A型<複数税率対応レジの導入等支援>

日頃から軽減税率対象商品を販売しており、将来にわたり継続的に販売を行うために複数税率対応レジ、または区分記載請求書等保存形式に対応した請求書等を発行する発売機を導入、またはそれらを改修する必要のある事業者。

 

② B型<受発注システムの改修等支援>

電子的受発注システムを使用して日頃から軽減税率対象商品を取引しており、将来にわたり継続的に取引を行うために受発注システムを改修・入替する事業者。

 

③ C型<請求管理システムの改修等支援>

日頃から軽減材率対象商品を取引しており、軽減税率に対応した請求書の発行を円滑に行うために、請求書管理システムを改修・導入する事業者。

 

以上の情報を参考に、皆さんにとって最適な酒造業向けシステムを選定していきましょう!もし、選定の際には弊社アウトソーシングテクノロジーにお声がけいただければ嬉しいです。

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