お酒の国内消費動向から見る酒造業のトレンド

 2019.04.22  株式会社アウトソーシングテクノロジー

 海外において清酒人気が上昇しており、国内の有名銘柄が多数輸出され、海外のレストラン等で気軽に日本酒を楽しむことが現地でも当たり前になっています。

実際に日本産酒類の輸出数量は、2017年時点で545億900万円となり、前年の429億9,600万円から26.8%増加しています。輸出数量においても2016年の124,710KL(キロリットル)から2017年には169,023KLと35.5%増加しており、海外市場において日本産酒類の堅調な成長が伺えます。

では、国内市場においてはどうでしょうか?本稿はお酒の国内消費動向から、酒造業のトレンドについてご紹介します。

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日本国内のお酒の消費動向

日本の人口推移は2008年をピークに減少し2016年時点ではピーク時の99.1%(1億2,693万人)まで減少しています。このことからも人口構成に大きな影響を受けるお酒は逆境に立たされていることが伺えます。(ただし、成人人口に関しては2008年より微増しています)

実際に日本国内のお酒の消費量は年々減少傾向にあります。国税庁課税部酒税課が発表した「酒のしおり」からその情報を確認すると、1996年には966万KLで国内消費がピークを迎え、2016年には841万KLとピーク時に対して87.1%の水準まで減少しています。

その原因として挙げられるのが若者の酒離れです。

成人1人あたりの酒類消費数量の推移を見てみますと、同じく1996年には99.5Lだったのに対し、2016年には80.9Lと、約19Lも減少しています。さらに厚生労働省が発表した「平成28年国民生活基礎調査」によれば、飲酒習慣のある20代の男性は14.5%、女性は6.5%、30代で飲酒習慣のある男性は33.2%、女性は14.7%といずれも40代、50代、60代に比べて低い結果となっています。ちなみに最も飲酒習慣の多い60代では男性が54.0%、女性が22.5%となっています。

各種酒類の販売(消費)数量の推移を見てみますと、1989年から唯一増加傾向にあるのがリキュール類です。日本伝統の清酒や焼酎、その他ビールやウイスキーなども減少傾向にあります(2016年まで)。このことから、日本人の飲酒習慣はビールからチューハイや、ビールに類似した低価格酒類(いわゆる新ジャンル飲料)に消費が移行していると考えられます。

国内における年代別に見るお酒の好み

日本酒造中央組合(JSS)は2017年5月に、全国3,000人を対象にした「日本人の飲酒動向調査」を30年振りに行いました。

同調査によると、直近1ヵ月で飲んだお酒はビールが最も多く、清酒は3人に1人が飲酒しています。3番目にワインが多い結果となっています。これを年代別に見てみると、年代ごとのお酒の好みが読み取れます。

高年代層に行くほど日本酒や焼酎といった日本伝統的なお酒が好まれていることが分かりした。ビールに関しては、年代層を問わず半数近くが飲んでいます。また、20代、30代の若年層では、カクテルやハイボールが高い人気を集めており、60代70代とはまったく違ったお酒の好みが表れています。

これは各お酒のイメージを訪ねた結果をグラフにしたものであり、37.4%もの人が清酒に対して「伝統的」というイメージを持っていることが分かります。焼酎が次いで上位となっています。つまり、「伝統的」というイメージのあるお酒ほど若年層から「とっつきにくい」というイメージを持たれているのではないかと考えらえます。

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清酒を呑み方が大きく変化(清酒は食前酒から食中酒へ)

1988年に行われた「日本人の飲酒動向調」と2017年の調査を比較すると興味深いことが判明しています。それは、清酒を飲むタイミングとして食前から食中と回答した割合が急増したことです。

直近の飲酒で清酒を選んだ人に「清酒を飲むタイミング」を訪ねたところ、1988年には「食前」と回答する人が69.7%だったのに対し2017年には25.0%に減少しており、反対に「食中と」と回答する人が21.1%だったのに対し2017年には68.5%に増加し、完全に逆転しています。

30年間で清酒の飲酒習慣が大きく変わったと言ってもよいでしょう。このことについて、JSS理事の濱田由紀雄氏は以下のように考えを述べています。

昔は、食事を楽しむこととお酒を楽しむことは、基本的に別のものと考えられていました。日本酒を飲むときは日本酒だけ。もしくは、簡単なおつまみ程度を添えて飲む人が多く、お酒の「通」と言われる人ほどその傾向が強かったと思います。それには、日本酒が日本人の主食であるお米が原料のため、ご飯の替りという意識もあったのではないでしょうか。一方最近は、飲酒と食事を一緒に楽しむ習慣が定着してきたことと、日本酒が料理の美味しさを引き出してくれることが広く理解され、食事中に日本酒を飲む人が増えたのだと思います。

このように日本人もお酒の飲み方がたった30年ほどで大きく変わっていることも興味深い現象の一つと言えるでしょう。

日本国内市場における酒造業のビジネスチャンスとは?

海外市場で堅調に市場拡大する日本の酒造業ですが、やはり国内市場で地盤を固め直すというのも大きな課題になっています。お酒の消費量が減少している国内において、ビジネスチャンスを創出するためには時代と共に変化した飲酒習慣と、若年層の酒離れを阻止するための施策が必要であると考えられます。

たとえば世界的に評価の高い純米大吟醸酒「獺祭(だっさい)」を製造する旭酒造では、「獺祭スパークリング」など清酒に対して「格式が高い」というイメージを持っている若年層向けに新しい商品展開を試みています。清酒や焼酎など日本の伝統的なお酒に関しても、ちょっとしたアイデアと販売方法により、大きなビジネスチャンスを見出すことができるでしょう。

また、このような取り組みに加えて自社の情報システム基盤をしっかりとしたものにすることも重要です。当社アウトソーシングテクノロジーでは、酒造会社様向けのERP(Enterprise Resource Planning)として「三酒の神器(さんしゅのじんぎ)」を提供しております。三酒の神器を導入することでリアルタイムな可視化による経営判断の迅速化、業務プロセスの合理化による無駄の排除など様々なメリットがあるため次なる事業展開への後押しなります。

多数の酒造会社様のシステム構築に携わった経験とノウハウから、業界のベストプラクティスを詰め込んだERPで新しいビジネスチャンスに挑戦したいという酒造会社様はぜひ「三酒の神器(さんしゅのじんぎ)」をご検討ください。

出典:
国税庁課税部酒税課、酒のしおり(平成30年3月)
厚生労働省、平成28年国民生活基礎調査
日本酒造組合中央会、日本人の飲酒動向調査

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